今年ほど暖かい春を待ち焦がれたことはなかった。
が、今年ほどいつの間にか春が終わってしまった年もない。
気がついたら「立夏」は過ぎ
暦の上では夏が始まっていた。
とはいえ、風はまださわやかで
木々は淡い新緑で彩られ
ふりそそぐ陽の光はあくまでもやさしい。
いつもと変わらぬ季節の移ろい。
まるで何ごともなかったかのように
穏やかにおおらかに、そしてやさしく私たちを包み込む。
大自然はその脅威を私たちに知らしめたが
同じく傷をいやしてくれる存在でもあるのだ。
だから自然とともに、きっと泣いたり笑ったりしながら
日本は立ち直っていくことだろう。
きっと、きっと。